弟子からの招待
先日茶名を取った弟子から茶事の招待を受けた。
教室を将来始めたいと強い意志を持って考え尽くし東籬庵を選んでくれた。
稽古の時は自分の話したことを一つも漏らさず終わったあとでまとめているのを知って茶を始めた頃の自分と重なった。
師匠の言葉は隠れた宝物1つも聞き逃すまいと稽古帰りの電車の中でノートに書いていた頃を思い出した。
日々多忙な中で最大限時間を使って招いてくれたことに嬉しさが込み上げて来た。
取り合わせや道具も自分でよく考えて選んでもいたのがまた嬉しかった。
支度をするためのリストアップをした一覧表も勉強のためだと1から自分で作ってもらうようにした。いつもなら簡単に渡す資料も何も渡さなかった。心苦しかったが自分で作らないと自分のものにはならないからだ。結果自分で見事にスケジュールを作って時間内に終わった。
茶事は全く相手に期待しない無償の愛に近い。
相手のことを考え、思いを馳せ、道具、料理を取り合わせ当日を迎える、自分の思い描いた茶席の会話、話したいことほとんど思う通りにいかないことが多い。それでも気づいてもらえたらラッキーだというくらいの気持ちで一心に尽くすのが茶の湯者の行なうお茶の姿。
主客が茶室に集い茶を通じて絆を深め、調和していくのがお茶、あなたのお茶、私のお茶ではなく
私たちのお茶になる融合したお茶ができた時に本当に良かったと思える。
そんなお茶を目指してくれたらいいなと思う。
大きく羽ばたく茶人が弟子から育つのが本当に楽しみ。
自分は自分で終わりなき修行に邁進するのみ。