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弟子からの招待

2024.09.25

弟子からの招待

先日茶名を取った弟子から茶事の招待を受けた。

教室を将来始めたいと強い意志を持って考え尽くし東籬庵を選んでくれた。

稽古の時は自分の話したことを一つも漏らさず終わったあとでまとめているのを知って茶を始めた頃の自分と重なった。

師匠の言葉は隠れた宝物1つも聞き逃すまいと稽古帰りの電車の中でノートに書いていた頃を思い出した。

日々多忙な中で最大限時間を使って招いてくれたことに嬉しさが込み上げて来た。

取り合わせや道具も自分でよく考えて選んでもいたのがまた嬉しかった。

支度をするためのリストアップをした一覧表も勉強のためだと1から自分で作ってもらうようにした。いつもなら簡単に渡す資料も何も渡さなかった。心苦しかったが自分で作らないと自分のものにはならないからだ。結果自分で見事にスケジュールを作って時間内に終わった。

茶事は全く相手に期待しない無償の愛に近い。

相手のことを考え、思いを馳せ、道具、料理を取り合わせ当日を迎える、自分の思い描いた茶席の会話、話したいことほとんど思う通りにいかないことが多い。それでも気づいてもらえたらラッキーだというくらいの気持ちで一心に尽くすのが茶の湯者の行なうお茶の姿。

主客が茶室に集い茶を通じて絆を深め、調和していくのがお茶、あなたのお茶、私のお茶ではなく

私たちのお茶になる融合したお茶ができた時に本当に良かったと思える。

そんなお茶を目指してくれたらいいなと思う。

大きく羽ばたく茶人が弟子から育つのが本当に楽しみ。

自分は自分で終わりなき修行に邁進するのみ。

時代を越えて

2024.09.13

お茶は

何世代にも渡り受け継がれている伝統。

人が茶を喫するようになってずいぶん経つ。

千年ほど前に『士』と呼ばれる人たちの間で茶を喫する事が芸術となり、文化が生まれた。高い教養を持つ人たちの間で広がり

それが庶民の中にも浸透していった。

やがて仏教の交流の中で日本にも伝わり

鎌倉から安土桃山時代を経て日本に合った茶道が誕生した。

作法に違いはあれど茶を介して人と人とが縁をつないでいくことに茶道が、関わっているのは間違いない。

非日常な場での作法に則った出合いは

お互いを平らかにし、絆を深めていく。

そしてそれは永遠に続くかのような錯覚を持たせ

反面一度きりの時間という制限も感じさせる。

詰まるところ今できることを今の瞬間愉しむ事が

生きてる全てだと気づく。

気づいたらあとは行動あるのみ。

単純なことだ。

日々の暮らしに流されなければ

誰かと比較して勝ち誇る作業を辞めれば

人生はずっと楽になる。

自分の人生生きるのに誰の許可も要らない。

だからお茶はいい。

ここにあること

2024.08.17

ここにあること

朝起きて日がのぼる。目覚めと共に全てが活動を始める、動き出すもの、じっとしているもの、ただそこにあるもの。

それぞれが成すべきを成す、誰のためでもなく目の前に何かがあるからするのである。

今ここに在ることは何か意味があることかわからないがそれに意味をもたすのは自分自身。

月が空に出るように、水が地下に流れるように

自分はここにいる。

好きなことをやり続ける。お茶のある人生に意味があっても無くても構わない。

この道を掴んでからお茶ともに歩んでいて1番楽しい。詰まるところそれで良いのだ。

教えるとは

2024.08.04

師匠の心構え

明治維新の頃日本人は諸外国からの開国を迫られその後欧米諸国の近代化を目の当たりにして自国を守るためには経済活動の大切さを実感していた。また国際社会という国境外の諸国との付き合いのなかで日本人、日本のアイデンティティわわ明確にする必要に迫られた。

日本人の精神は中国禅の伝来以来

本来の自己を問う気概と規律に従って日常生活を過ごしムリ、ムダ、ムラを減らす生き方をひとつの指標とした。

茶道はこの禅の輸入とともに日本に伝来した。

師匠に付いて学び、ともにあゆみ、最後には師を越え、我が心の師となり歩んでいく。

師匠には恵まれてきた。

そろそろ学ぶ姿勢から師匠としての在り方を

示していく時期が来た。

詰まるところ、何をしてきたかよりも今何をしているかが重要だ。

水屋力

2024.07.19

茶道で稽古の準備をする場所を水屋といいます。

稽古を始めるとここで点前に使う道具を準備したり片付けします。

ここで学ぶべきは整理整頓と自分の役割です。

道具の場所は全て決まっています。

点前に使った後同じところに戻すのも簡単なようで意外と難しいのです。

整理整頓されていれば整然の棚に並べられた道具もすっきりして気持ちが整います。

中心から道具の格が決まっていて並べてあるところからも格付けの意味や歴史も知ることができます。

また片付けの時に準備の人と重なってしまった時にどちらが優先にするべきか考えたり、片付けを任せたり、任されたりできるチームワークも大事なことです。

水屋一つとっても仕事にも十分通じるものです。