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時代を越えて

2024.09.13

お茶は

何世代にも渡り受け継がれている伝統。

人が茶を喫するようになってずいぶん経つ。

千年ほど前に『士』と呼ばれる人たちの間で茶を喫する事が芸術となり、文化が生まれた。高い教養を持つ人たちの間で広がり

それが庶民の中にも浸透していった。

やがて仏教の交流の中で日本にも伝わり

鎌倉から安土桃山時代を経て日本に合った茶道が誕生した。

作法に違いはあれど茶を介して人と人とが縁をつないでいくことに茶道が、関わっているのは間違いない。

非日常な場での作法に則った出合いは

お互いを平らかにし、絆を深めていく。

そしてそれは永遠に続くかのような錯覚を持たせ

反面一度きりの時間という制限も感じさせる。

詰まるところ今できることを今の瞬間愉しむ事が

生きてる全てだと気づく。

気づいたらあとは行動あるのみ。

単純なことだ。

日々の暮らしに流されなければ

誰かと比較して勝ち誇る作業を辞めれば

人生はずっと楽になる。

自分の人生生きるのに誰の許可も要らない。

だからお茶はいい。

ここにあること

2024.08.17

ここにあること

朝起きて日がのぼる。目覚めと共に全てが活動を始める、動き出すもの、じっとしているもの、ただそこにあるもの。

それぞれが成すべきを成す、誰のためでもなく目の前に何かがあるからするのである。

今ここに在ることは何か意味があることかわからないがそれに意味をもたすのは自分自身。

月が空に出るように、水が地下に流れるように

自分はここにいる。

好きなことをやり続ける。お茶のある人生に意味があっても無くても構わない。

この道を掴んでからお茶ともに歩んでいて1番楽しい。詰まるところそれで良いのだ。

教えるとは

2024.08.04

師匠の心構え

明治維新の頃日本人は諸外国からの開国を迫られその後欧米諸国の近代化を目の当たりにして自国を守るためには経済活動の大切さを実感していた。また国際社会という国境外の諸国との付き合いのなかで日本人、日本のアイデンティティわわ明確にする必要に迫られた。

日本人の精神は中国禅の伝来以来

本来の自己を問う気概と規律に従って日常生活を過ごしムリ、ムダ、ムラを減らす生き方をひとつの指標とした。

茶道はこの禅の輸入とともに日本に伝来した。

師匠に付いて学び、ともにあゆみ、最後には師を越え、我が心の師となり歩んでいく。

師匠には恵まれてきた。

そろそろ学ぶ姿勢から師匠としての在り方を

示していく時期が来た。

詰まるところ、何をしてきたかよりも今何をしているかが重要だ。

水屋力

2024.07.19

茶道で稽古の準備をする場所を水屋といいます。

稽古を始めるとここで点前に使う道具を準備したり片付けします。

ここで学ぶべきは整理整頓と自分の役割です。

道具の場所は全て決まっています。

点前に使った後同じところに戻すのも簡単なようで意外と難しいのです。

整理整頓されていれば整然の棚に並べられた道具もすっきりして気持ちが整います。

中心から道具の格が決まっていて並べてあるところからも格付けの意味や歴史も知ることができます。

また片付けの時に準備の人と重なってしまった時にどちらが優先にするべきか考えたり、片付けを任せたり、任されたりできるチームワークも大事なことです。

水屋一つとっても仕事にも十分通じるものです。

育ててくれた本

2024.07.17

PHPという出版社がある。

松下幸之助氏が物質が流通して皆満たされた後は必ずこころの時代がいずれ到来することを予測して設立された。

大学卒業後就職して仕立てのころ馴れない仕事をしながら芽の出ない自分がどうしていいか分からず手に取った本がある後藤清一氏の『こけたら立ちなはれ』という本です。

1人の人間として学歴、肩書、家柄などのアドバンテージを一切あてにせず努力と勤勉さと情熱で

人生を駆け抜けた偉人の名著で今も愛読しています。

人の縁は味わい深く時には苦くもある。

仕事で繋がるのも人から頼まれるのも自分がどれだけ自分のやることに情熱をかたむけたかに尽きる。

茶の湯者として自ら教えて、教わり、ともに成長していく。これからもずっと一介の茶の湯者として教え続けていきます。

自ら行うことが1番大切なことだと自分は思います。この本はそんなことを教えてくれた熱い一冊です。

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